井戸茶碗についての一考察
1.はじめに
2.井戸茶碗について
2.1.井戸茶碗とは
2.2.井戸茶碗と「雑器論」
3.まとめ
4.註
平成廿一年六月二十五日 執筆 S. Yamashita.
数多ある茶碗の中でなぜ井戸茶碗が最も位が高いとされるのか。そもそも朝鮮では雑器として扱われていたのではなかったのか。
本レポートでは、その理由や、その背景にある井戸茶碗にまつわる歴史について見ていきたいと思う。
名称の由来は諸説あり定かではない(※1)。
「大井戸」と呼ばれる口径の大きいものが代表的で、他に「小井戸(古井戸ともいう)」、「青井戸」、「小貫入」、「井戸脇」といった種類があり、合わせて五種類ある(※2)。
国宝の「喜左衛門井戸」「筒井筒」「細川」「有楽」などはすべて名物手に属す。
井戸茶碗の特徴・見所は、素地は赤褐色の土の色で、枇杷色の釉が高台まで全体にかかり、やや厚手で、粗い「轆轤目」があり、高台は大きく高く、また茶溜りには、重ね焼きの跡が見られ、高台脇や内部は「梅花皮(かいらぎ)」といって、茶碗などの釉(うわぐすり)が焼成不十分のために溶けきらず、鮫肌状に縮れた状態になっており、さらに「脇取(わきどり)」といって、高台脇が削りとってあり、高台が竹の節のような形をしているところである。